設計:竹中工務店
メディア:新建築0411、日経Arc0402、日経商空間0412
外観は人のアクティビテーによって照明が変化する。
人が居る時は室内の光が点灯し、人が居なくなると建築の特徴であるダブルスキンのマリオンがライトアップされる。人の活動によって外観は常に変化する。
共有部の廊下では照明器具自体を極力見せないようにしている。
結果、各階による店舗の集まりがその階の景観上の特徴を付けている。インフラが目立つのではなく街並みが目立つ手法を採用している。
エントランスなどでは行く先々が認識できるように照明をおこなっている。
バックヤードでありながらもその限られた条件の中で空間の特徴を引き出し変化のある環境ができた。
第2吉本ビルディングは、近年開発が進む大阪駅前に位置する、商業スペースとオフィススペースからなる、地下4階、地上20階の複合ビルである。
タワー部はガラスで包まれた60m×20m×100mのシンプルな直方体であり、照明デザインにおいても内部の多様なアクティビティを都市へと透過させ、時と共に移ろう変化に富んだ表情をもつことを意図して計画した。
夜が更けるとオフィス部は蛍光灯の明かりから、暖かみのあるハロゲン灯の割合が増していき、刻々とその表情を変化させる。また、6階までの商業スペースは、ガラスを通して、緑、カフェ、レストラン、ショップなど様々な光が積層し、活気ある雰囲気を醸し出している。
照明によって内部にいる人の営みをよりいっそうダイレクトに感じさせることというコンセプトは、巨大化する建築を都市に解放し、人間的な表情を生み出す一つの回答となった。