住民の皆様へ




この度、年末年始のイベントとしてライトアップ計画に御協力頂きありがとうございました。
川越は古き良き建物と現在の人々が共生して生活しているすばらしい街です。ただ、古き建物を見せるというだけではなく、川越における人々の営みを感じさせるようなことができれば、それはそのまま川越の特徴を増幅するものであると考えています。
今までの都市計画の街路整備は、特に地方都市においては町の水準と離れた位置の整備が随所に見受けられいるのではないでしょうか。
この原因として第一に考えられるのは、町の整備がインフラストラクチャー、すなわち街路の整備が主に行われ、「街路空間」としてあまり考慮されていなかったか らだと思われます。
そこで今回、川越一番街において、街路から「街路空間」をどのように捕らえることが可能であるか、壮大な実験を光のイベントとして行い、通りに面した各家、各商店の窓から漏れる光を学生を中心としたスタッフと住民の方々により作りあげることができました。
またこの手法は一つの町づくりの試みもあります。街路整備という様々なキーワードの中で「あかり」を考えることは、住民にとって等身大の理解しやすい共通の言語となりえます。そしてなによりも「あかり」の実験は予算上からもあまり負担のかからなく、速効性もあります。実際の街でリアリティーある「あかり」はまちづくりの第一歩として実験になるはずです。
街路に染み出た人々の生活を感じとることのできるあかりのサインは、ここに住まう住民、またはこの場所に訪れた人々に川越の魅力を新たに可視化、「そぞろ歩き」のできる素敵な街となることを信じています。
この場をかりて、住民の方々にはいろいろと御迷惑をおかけしたことをお詫びします。

記:2000.12.23
ぼんぼり光環境計画 代表 角舘政英


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