光再考―始めに―




急速に発展をしてきた照明技術は私たちに多様な照明設計の手法を提供してきた。しかしこの技術もここ数年来低迷ぎみで、新しい光のデザインは少なくなっているようである。ではどのようにして空間を光によって操作し、新空間創造の可能性を見いだしてゆけば良いのだろうか。その方法として、私たちはもう一度、光の原点に立ち戻ってみることが必要なのではないだろうか。では、この光の原点とはどのようなものであろうか。これには大きく言って三つある。 一つ目は空間にどのような光がどの方向から何を照らしどのように反射しているのか、などの演出的な光、つまり<光の現象>である。 二つ目は、例えば商店街のスズラン灯などのように社会的な条件やその変化の過程の中で生まれてきた<光の様式>。 そして三つ目は光の質や量、位置関係がどのように人の行動、行為と関係しいているかという<機能上の光>である。
これら光の要素を再考し、これからの光のあり方−現在の私たちにとっての光の概念を提示してゆきたいと思う。



商店建築連載から 著者:角舘まさひで+藤原京子 (Chapter-11:角舘まさひで+藤原京子+風袋宏幸)