-Lighting Urbanism-
照明性能設計からのアプローチによる
照明計画のプロセスを紹介します。
建築、都市内での人の行動に着目して
照明計画を進めています。
ライティング・アーバニズムへの新たな概念を提示します。


ライティング・アーバニズム
/照明性能設計からのあかりの要素

照明性能計画
人の行為から導く照明計画

今までの照度基準から「照明性能設計」の概念へと新たな光環境を創造する。ただ明るい暗いという主観的な評価でなく、あくまでの人の行為に基いた性能を満足するための照明環境の計画を進める。
歩行性能照明
人が歩行する行為として
最低限必要とされる照明

床面に段差が無い場合には人は床を見ることはなく、周辺環境の空間を認識できれば歩行することができる。また段差があるところではその段差をしっかりと認識させるための照明が必要となる。
誘導照明
避難誘導なども含む
行く先々を示す照明

空間を認知し、なおかつ行く先々を人は認識できれば、歩行、移動することができる。歩行者、ドライバーに有効なサイン的な照明環境をその場所に合わせて再構築する。特に非常時には最低限の非常照明を街に計画していくことも今後必要であり、被災地などでの減災では計画が進んでいる。
ボイド照明
空間認知として街路の
凹部を認識させる照明


街路の周辺環境において、街路の暗闇が無くなることによって、通常の照度基準と比較しても十分の防犯性を確保することができると同時に、街路の空間的特徴をより可視化することができる。
危険予測照明
交差点の危険予測から
導き出された照明

警視庁での交通規範では、危険予測、危険予知によって交通事故を少なくすることができることを明言している。道路系の照明環境において道路の形状(交差点、カーブ、幹線道路、住宅地内道路など)と周辺環境と危険予測の概念に基づいた照明計画を行う。
オペレーション
時間帯による防犯性の
変化に対応した照明
非常時にも対応

まだ人の活動が活発な時間帯では、街に人が多いことから照明による防犯性を低くしても問題ない。逆に、深夜などに街に人気が無くなった時には照明による防犯性の確保を行う。省エネに対して極めて有効な手法の一つである。
人気のあかり
まちに人気を意図的に作り
人気を感じるまちは
安心なまちになる

街に人気を作ることは直接防犯性を高めることにつながる。人気を感じる街路では街路照明と同時に防犯性を総合的に判断することによってより省エネで住民の電気代負担を軽減することができる。
境界を無くす照明
みんなで作るあかりは
まちの境界がなくなり
まちの魅力を増幅させる

光は境界を飛び越えて影響する。この特性を活用してインフラ照明の在り方を再構築する。この手法は同時に街の夜間の景観を最大限に可視化することともなる。官-民だけでなく官-官の境界も照明により無くして行くことも提言する。
省エネ照明
照明性能設計の実現によって
今までにない省エネの実現

照明性能計画を実現し、必要な場所に必要な光を設置し、都市の照明環境を管理区分によってではなく、空間として一体的に捉えることで結果的に省エネが実現できる。今後の電力規範等により料金設定等が変更される可能性がある中で、使用電力量を極めて最小に計画する事は、今後求められる。。



照明性能設計の事例

釜石市 高台避難誘導環境整備


誘導照明・危険予測照明・オペレーション
高台への空間認識を増大させる照明計画である。
同時に階段の歩行性能、
交差点部の交差点照明を危険予測照明に変更し
より高ぢあ入口の認識度が高まった。
また、停電時には非常照明が点灯する。
同時に、地域の景観財産を可視化することともなった。


さいたま新都心交通広場・歩行者デッキ


歩行性能照明・誘導照明・オペレーション
人は一度床面が平らだと認識すると、
床面を見て歩いていない事が実験から判明した。
歩行者デッキでありながら、床面照度は確保していない。
誘導する光を床面、ベンチに配置することによって
人は問題なく歩行性能を確保できた。
また、シェルター部の照明の光源はハロゲンランプを採用し
24時までの人が比較的多い時間帯は
最低限の照度(平均約3ルクス)確保し
24時以降の深夜の人が少なくなる時間帯には
より防犯性を高めるために
シェルター下床面照度を10ルクス程度まで上げている。
人の時間帯による防犯性の対応した設計となっている。


渋谷区宮下ナイキパーク


歩行性能照明・誘導照明・オペレーション
歩行照明性能の実現ができた。
公園床面の境界部が明るい事により
空間認知と不審者の存在が認識でき
人に安心感を与える事ができた


立川市 子ども未来センターひろば


境界を無くす照明・ボイド照明・歩行性能照明・誘導照明・オペレーション
公園の境界部が連続的に認識できる光を配置した。
特に建物側ではボイド照明を設置し、
建物側の暗闇を無くし、防犯性にも寄与している。
広場、歩道、建物の境界を無くし
空間を一体として計画を進める事ができた。


福島県国道114号 浪江拡幅道路景観計画


危険予測照明・歩行性能照明・誘導照明・オペレーション
人々の行為・生活に合った、
防犯性・安全性を得られる光環境を目指した。
新たな都市防災に対応した照明システムの構築、
都市空間としての非常照明の有効性も提案した。
交差点は幾つかのタイプに分類し
それぞれ、危険予測からの照明計画を行い
それらが連続する道路において
誘導性と危険予測から
道路照明は行わない事で協議が進んでいた。
特にメインの交差点では
歩行者と自転車に対しての危険予測照明を設置し
時間帯による自転車の多さに対応した
照明制御も行う事になっていた。


北本駅西口駅前広場


危険予測照明・歩行性能照明・誘導照明・オペレーション・省エネ照明
危険予測照明を全体的に採用された。
シェルター下では歩行者に対する危険予測である、
交差点、バス乗り降り等部を中心に
出迎えで飛び出しが予想される駅前シェルター下は
特に明るくし、歩行者の行動がドライバーから
いち早く認識できるようにした。
また、駅前直線道路では、
歩車道境界部に連続した誘導照明を設置。
道路交差点では危険予測照明でもある
歩道部を中心とした照明を行った。
結果、車道部は基準照度を確保していなが
運転上の性能は満足している。
歩行者に対してはシェルター下の障害物でもある
柱、ファニチャーが認識できるようにし、
深夜は駅前広場全体の境界部分の照明が残るようにしている。
総合的にJIS基準による駅前照明計画と比較して
飛躍的な省エネとなった。


上州富岡駅前整備計画


境界を無くす照明・危険予測照明・歩行性能照明・ボイド照明
「駅-歩道-広場-道路-歩道-民地」と
様々な管理区分を一体の空間として計画できた。
駅舎に設置している照明は二種類あり
駅用の照明と駅広場用の照明がある。
それぞれ管理は違うが
駅周辺の境界部を明るくすることで
防犯性等の性能を満足することが
実験を経て確認された。
このあかりの配置により
富岡駅前の景観的財産が夜になると可視化された。


岐阜県白川村 平瀬地区計画


ボイド照明・境界を無くす照明・歩行性能照明・省エネ照明
一般的なJIS基準照度に基づいた照明計画と比べ、
光のエネルギー量は1/5となり、
省エネルギーの効果も高いことが実証された。
同時に人に対する安心感も高い。


富山県富山市八尾 禅寺橋歩行実験


歩行性能照明・省エネ照明
一般的なJIS基準照度に基づいた照明計画と比べ、
歩行性能を満足するパターン時では、
実験/現状=1/150の省エネの実現が確認できた。
また、同時に自分のまちの景観財産の再認識もできた。


埼玉県川越市 一番街通り


人気のあかり・ボイド照明・境界を無くす照明
街路灯を消灯し、
歴史ある街並みを活かした窓明かりを
店舗内に設置した。
格子から透けて見える光は人気を感じさせ、
深夜にも安心感ある光環境となった。
また、窓明かりが道に漏れ出ることで、
人々の暮らしが感じられるにぎわいある街並みとなった。
この光は演出的ライトアップでなく
防犯性を高める効果のある
公共性の高い照明となった
人気が防犯性を高める結果となった。


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